オンラインゲームプラットフォームとして人気のSteamですが、地域制限や通信速度の問題、セキュリティの懸念など、様々な課題に直面することがあります。VPNを使用することでこれらの問題を解決できる可能性がありますが、適切なVPNを選ぶことが重要です。
本記事では、Steamで使用するのに最適なVPNを5つ紹介し、その選び方や注意点について詳しく解説します。VPNの使用がSteamの規約違反になるかどうかについても触れ、安全にSteamを楽しむための情報をお届けします。
SteamでVPNを使う前に知っておくべきこと
Steamでゲームを楽しむ際、VPNの使用を検討している方も多いでしょう。しかし、VPNを使用する前に、いくつか重要な点を理解しておく必要があります。
VPN利用は規約違反になる?
まず最も気になるのが、VPNの使用がSteamの規約違反になるかどうかという点です。結論から言えば、VPNの使用自体は直接的に規約違反とはなりません。しかし、VPNを使用して地域制限を回避したり、価格の安い国からゲームを購入したりする行為は、明確に規約違反となります。
Steamの利用規約には、「ユーザーは、ユーザーの所在地を偽る目的で(ゲームコンテンツの地理的制限を回避するため、ユーザーの地域に適用されない価格設定で注文または購入するためなど、いかなる目的であるかを問いません)、IP プロキシまたはその他の方法を利用しないことに同意しているものとします」と明記されています。つまり、VPNを使用して自分の所在地を偽ることは禁止されているのです。
ただし、セキュリティ強化や通信速度の改善を目的としたVPNの使用については、明確な禁止事項とはなっていません。重要なのは、VPNを使用する目的が正当であり、Steamのサービスを不正に利用しようとしないことです。
Steamでの正しいVPN利用法
では、Steamで正しくVPNを利用するにはどうすればよいでしょうか。以下に、安全かつ効果的なVPN利用法をいくつか紹介します。
まず、セキュリティ強化を目的としたVPNの使用は問題ありません。公共のWi-Fiなど、安全性が確保されていないネットワークを使用する場合、VPNを利用することで通信を暗号化し、個人情報を保護することができます。
次に、通信速度の改善を目的としたVPN利用も有効です。インターネットサービスプロバイダ(ISP)による帯域制限を回避したり、より近いサーバーに接続することで、ゲームのレイテンシーを改善できる可能性があります。
また、DDoS攻撃からの保護にもVPNは有効です。オンラインゲームでは、悪意のあるプレイヤーによるDDoS攻撃の標的になることがありますが、VPNを使用することで実際のIPアドレスを隠し、攻撃のリスクを軽減できます。
ただし、これらの利用法においても、常に自分の所在地の法律やSteamの利用規約を遵守することが重要です。地域制限のあるゲームにアクセスしたり、価格差を利用してゲームを購入したりする目的でVPNを使用することは避けましょう。
Steamにおすすめのトップ5 VPN
それでは、Steamで使用するのに適したVPNを5つ紹介します。これらのVPNは、速度、安定性、セキュリティなどの観点から総合的に評価し、選出しています。
1. NordVPN – 最速・最安定のSteam向けVPN
NordVPNは、Steamユーザーにとって最も魅力的なVPNの一つです。その理由を詳しく見ていきましょう。
特徴と性能
NordVPNの最大の特徴は、その圧倒的な速度と安定性です。2025年1月の調査によると、NordVPNの接続速度は他のVPNサービスを大きく上回っています。具体的には、VPN接続なしの状態でダウンロード速度100Mbps、アップロード速度99Mbps、Ping値4msだったのに対し、NordVPN接続時はダウンロード速度98.21Mbps、アップロード速度95.44Mbps、Ping値7msとなっています。これは速度低下率がわずか2%という驚異的な数値です。
また、NordVPNは世界50カ国以上に5,600個以上のサーバーを展開しており、ユーザーは常に最適なサーバーを選択できます。これにより、地理的に近いサーバーに接続することで、さらにPing値を低減させることが可能です。
セキュリティ面でも、NordVPNは高い評価を得ています。AES-256ビット暗号化を採用し、さらにダブルVPN機能やCyberSec機能を備えています。ダブルVPN機能は通信を二重に暗号化することでセキュリティを強化し、CyberSec機能は広告やマルウェアをブロックします。
Steamでの使用実績
NordVPNは多くのSteamユーザーから高い評価を得ています。特に、オンラインゲームでのパフォーマンスが優れているという声が多く聞かれます。例えば、Counter-Strike: Global OffensiveやDota 2などの人気ゲームで、NordVPNを使用することでPing値が改善されたという報告が多数あります。
また、NordVPNはSteamのダウンロード速度の向上にも貢献します。ISPによる帯域制限を回避できるため、大容量ゲームのダウンロードが従来よりも高速になったという声も多いです。
さらに、NordVPNはSteam以外のゲームプラットフォームでも優れたパフォーマンスを発揮します。例えば、Epic Games StoreやOriginなどのプラットフォームでも、同様の速度向上とセキュリティ強化が期待できます。
2. ExpressVPN – セキュリティと速度を両立
ExpressVPNは、セキュリティと速度のバランスが取れたVPNサービスとして知られています。Steamユーザーにとって、この両立は非常に重要です。
特徴と性能
ExpressVPNの最大の特徴は、その高度なセキュリティ機能と高速な接続速度です。AES-256ビット暗号化を採用し、さらに独自のプロトコル「Lightway」を開発しています。Lightwayは、OpenVPNと同等のセキュリティを保ちつつ、より高速な接続を実現しています。
サーバーネットワークも充実しており、105カ国に3,000台以上のサーバーを展開しています。これにより、世界中のほとんどの地域から高速かつ安定した接続が可能です。
また、ExpressVPNはスプリットトンネリング機能を備えています。これにより、特定のアプリケーション(例えばSteam)のみをVPN経由で接続し、他のアプリケーションは通常のインターネット接続を使用することができます。この機能は、Steamの使用時にVPNを利用しつつ、他のオンラインアクティビティでは通常の接続速度を維持したい場合に非常に便利です。
Steamでの使用実績
ExpressVPNは、多くのSteamユーザーから高い評価を得ています。特に、安定した接続とローピングが評価されています。例えば、イギリスの近距離サーバーに接続した場合、Ping値は常に15ミリ秒以下を維持し、接続前と比べて通信速度の低下はわずか3%程度だったという報告があります。
また、ExpressVPNはSteamのダウンロード速度の向上にも貢献します。多くのユーザーが、ExpressVPNを使用することで大容量ゲームのダウンロード時間が大幅に短縮されたと報告しています。
さらに、ExpressVPNはSteam以外のゲームプラットフォームでも優れたパフォーマンスを発揮します。例えば、PlayStation NetworkやXbox Liveなどのコンソールゲームプラットフォームでも、同様の速度向上とセキュリティ強化が期待できます。
3. CyberGhost – ゲーミング専用サーバー搭載
CyberGhostは、ゲーマー向けに特化した機能を多数搭載したVPNサービスです。特にゲーミング専用サーバーの存在が、Steamユーザーにとって大きな魅力となっています。
特徴と性能
CyberGhostの最大の特徴は、ゲーミング専用サーバーを提供していることです。これらのサーバーは、ゲームのトラフィックを優先的に処理するように最適化されており、低レイテンシーと高速な接続を実現しています。
また、CyberGhostは世界100カ国以上に11,690台以上のサーバーを展開しており、この規模は業界最大級です。これにより、ユーザーは常に最適なサーバーを選択できます。
セキュリティ面でも、CyberGhostは高い評価を得ています。AES-256ビット暗号化を採用し、さらにNoSpy serverという独自のサーバーを運用しています。NoSpy serverは、通常のサーバーよりもさらに高度なセキュリティと匿名性を提供します。
Steamでの使用実績
CyberGhostは、多くのSteamユーザーから好評を得ています。特に、ゲーミング専用サーバーの性能が高く評価されています。例えば、人気のFPSゲーム「Counter-Strike: Global Offensive」でCyberGhostを使用した場合、Ping値が大幅に改善されたという報告が多数あります。
また、CyberGhostはSteamのダウンロード速度の向上にも貢献します。多くのユーザーが、CyberGhostを使用することで大容量ゲームのダウンロード時間が短縮されたと報告しています。
さらに、CyberGhostはSteam以外のゲームプラットフォームでも優れたパフォーマンスを発揮します。例えば、Battle.netやUplayなどのプラットフォームでも、同様の速度向上とセキュリティ強化が期待できます。
4. Surfshark – 無制限デバイス接続可能
特徴と性能
Surfsharkの最大の特徴は、一つのアカウントで無制限のデバイスに同時接続できることです。これは、複数のデバイスでSteamを利用するユーザーにとって非常に魅力的な機能です。
Surfsharkは世界100カ国以上に3,200台以上のサーバーを展開しています。WireGuardプロトコルを採用しており、高速かつ安全な接続を実現しています。セキュリティ面では、AES-256ビット暗号化を採用し、厳格なノーログポリシーを実施しています。
また、CleanWeb機能と呼ばれる広告ブロッカーを搭載しており、オンラインゲーミング中の不要な広告を効果的にブロックします。
Steamでの使用実績
Surfsharkは多くのSteamユーザーから好評を得ています。特に、複数のデバイスで同時に使用できる点が高く評価されています。例えば、PCでSteamゲームをプレイしながら、同時にスマートフォンでSteamのチャット機能を利用するといった使い方が可能です。
通信速度に関しては、近距離のサーバーに接続した場合、15ms以下のPing値を維持できるという報告があります。これは、地理的に近いサーバーを選択することで、非常に低いレイテンシーでゲームを楽しめる可能性を示しています。
ただし、一部のユーザーからは、時間帯によって接続速度が遅くなることや、接続が不安定になることがあるという報告もあります。これは、サーバー数が比較的少ないことが原因である可能性があります。
5. Private Internet Access – カスタマイズ性に優れたVPN
特徴と性能
Private Internet Access(PIA)の最大の特徴は、高度なカスタマイズ性です。ユーザーは自分のニーズに合わせて細かく設定を調整することができ、これはSteamユーザーにとって大きな利点となります。
PIAは世界91カ国に30,000台以上のサーバーを展開しており、これは業界最大級のネットワークです。この広範なサーバーネットワークにより、ユーザーは常に最適なサーバーを選択できます。
セキュリティ面では、AES-256ビット暗号化を採用し、キルスイッチ機能も備えています。また、MACE機能と呼ばれる広告ブロッカーも搭載しており、オンラインゲーミング中の不要な広告を効果的にブロックします。
Steamでの使用実績
PIAはゲーマーから概ね好評を得ています。特に、カスタマイズ性の高さが評価されています。例えば、暗号化レベルや接続プロトコルを自由に選択できるため、ユーザーは自分のニーズに合わせて最適な設定を行うことができます。
通信速度に関しては、ユーザーの報告によると、VPN接続前後でほとんど変わらないという声が多いです。実測値では、VPN接続なしの状態で346Mbpsだったダウンロード速度が、PIA接続時に320Mbpsとなっており、速度低下はわずかです。
ただし、一部のユーザーからは、地域制限のあるWebサイトへのアクセスがブロックされることがあるという報告もあります。また、サポートが英語のみであることも、日本のユーザーにとっては潜在的な課題となる可能性があります。
VPNを使うとSteamのアカウントがBANされる?
VPNの使用自体はSteamの規約違反ではありませんが、不適切な使用方法によってはアカウントがBANされるリスクがあります。特に注意が必要なのは以下の点です。
まず、VPNを使って地域を偽り、より安価な価格でゲームを購入しようとする行為は明確な規約違反です。Steamは地域ごとの価格設定を重視しており、このような行為が発覚した場合、アカウントが制限される可能性が高くなります。
また、短時間で頻繁に異なる地域からアクセスすると、不正利用と判断される可能性があります。VPNを使用する際は、できるだけ同一のサーバーを継続して使用し、急激な地域の変更を避けることが重要です。
さらに、VPNを使用してゲームのリージョンロックを回避しようとする行為も規約違反となります。一部のゲームは特定の地域でのみプレイ可能ですが、これを無視してアクセスしようとすると、アカウントに制限がかかる可能性があります。
VPNを使うとSteamの通信速度は遅くなる?
VPNの使用により、Steamの通信速度が低下する可能性はあります。これは、VPNを経由することで通信経路が長くなり、データの往復に時間がかかるためです。しかし、高品質なVPNサービスを選択することで、この影響を最小限に抑えることができます。
速度低下を抑えるためには、以下の点に注意しましょう。
- 高速なVPNサービスを選択する:NordVPNやExpressVPNなど、高速な接続を提供するVPNサービスを利用することで、速度低下を軽減できます。
- 近隣のサーバーを選択する:物理的に近いサーバーを選ぶことで、通信距離を短縮し、速度低下を抑えられます。
- 軽量なプロトコルを使用する:WireGuardなどの最新の軽量プロトコルを使用すると、より高速な接続が可能です。
- サーバーの混雑を避ける:混雑の少ないサーバーを選択することで、より安定した速度を維持できます。
適切なVPNサービスと設定を選択することで、Steamの利用に大きな支障をきたすほどの速度低下は避けられるでしょう。
まとめ:SteamでVPNを賢く使うには
SteamでVPNを利用する際は、以下の点に注意しましょう。
- 信頼できる有料VPNサービスを選択する
- 地域制限の回避ではなく、セキュリティとプライバシー保護を目的として使用する
- 同一のサーバーを継続して使用し、急激な地域の変更を避ける
- ゲームの購入は常に自分の実際の居住地域で行う
- VPNの使用目的がSteamの規約に違反していないか確認する
これらの点に注意しながらVPNを利用することで、Steamをより安全に、そして快適に楽しむことができます。VPNは強力なツールですが、その使用には責任が伴います。常にSteamの規約を遵守し、適切な方法でVPNを活用することが重要です。
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