⚠️ 【最重要】一般の個人ブロガー様は「絶対に」読まないでください
本記事は、Googleアドマネージャー(GAM)の内部に「Google Ad Exchange(AdX)」を紐付け、高度なYield Managementを行っている大規模・中堅Webメディアの運用担当者向けの実務解説です。
- 「WordPressにAdSenseの自動広告コードを貼っているだけ」
- 「プラグインでAdSenseタグを管理してブログを運営している」
という、一般的な個人ブロガー・アフィリエイター様の元には、そもそもこのメール自体が届いていません。 今回の仕様変更で通常のAdSense(adsense.google.com)が廃止されるようなことは絶対にありませんので、勘違いしてAdSenseタグを剥がすなどの自爆・暴走行為は絶対にしないでください。
4月30日の「限定通知」が暴いた、あなたのメディアの致命的な“ねじれ”
2026年4月30日、Googleから一部のプレミアムパブリッシャーに向けて、ひっそりと、しかし決定的なパラダイムシフトを告げるメールが届きました。
タイトルは『Google アド マネージャーで AdSense バックフィルを Ad Exchange に移行する』。
「うちはGAMを入れてAdXも通しているし、Open BiddingもPrebid.jsも回しているから、マネタイズはとっくに最適化されている」
そう自負しているメディア担当者ほど、今すぐ自社のGAMの広告申込情報(Line Items)の最下層をチェックしてください。「とりあえずの全埋め保険(バックフィル)」や「価格優先(Price Priority)」のレイヤーに、数年前から思考停止で放置された『AdSense』の申込情報が居座っていませんか?
「AdXとAdSenseを両方競合させておけば、システムが自動で高い方を最適化してくれるから得だろう」という、一見賢そうに見えたマルチコール運用。これに対し、Googleは公式に「重複であり、最適な設定ではない」と冷徹な死刑宣告を下したのです。
5月30日から始まる2段階の強制執行を前に、なぜあなたのメディアのAdSense申込情報が、「Open Biddingや内製Prebidの機会損失を引き起こすインフラの足かせ」になっていたのか。メールが届いた当事者のためだけに、そのドロドロとした技術的背景を暴露します。
そもそも「マルチコールとは?」
この世界(アドテク・プログラマティック界隈)にいる住人なら、誰もが一度は聞き覚えがある手法ではないでしょうか。
「マルチコール(Multi-call / 多重呼び出し)」
この手法は、元々はモバイルアプリ界隈で海外のアプリデベロッパーがひっそりと持ち込み、パブリッシャーが知らないうちにディスプレイ広告(Webメディア)界隈全体にまで広がってしまった、広告エコシステムを台無しにする最悪なスタックハックです。
これが、プログラマティック広告の根底にある「1リクエストに対し、全員が同時に適正価格を提示して一発で勝者を決める(ファーストプライス・オークション)」という美しい大原則を、内側から破壊するチート行為の始まりでした。
実際Admobで出来ないフォーマットの競合(本来はGoogleアドマネージャーSDK)のオークション操作をAdmobSDKフォールバックで実現させるという手法を考えた方がいました。
高 Floor → 中間 Floor → すべての価格 → ネイティブ広告 のように、儲かりそうな広告ユニットを順にフォールバックしていけば最強なのでは?
表面上は問題ないように見えてもこの操作は明確な「マルチコール(Multi-call / 多重呼び出し)」行為です。
「高 Floor 広告ユニット」でリクエスト
↓(ノーフィルなら自前コードでフォールバック)
「中間 Floor 広告ユニット」で再リクエスト
↓(ノーフィルならさらにフォールバック)
「価格制限なし(すべての価格)」で再リクエスト
↓(最終バックフィルとして)
「ネイティブ広告」を呼び出し
Googleでは広告ユニットに対して1度オークションでGoogle(SDK Biddingを含む)を呼び出せるのは1回までと明確にパブリッシャーポリシーで定められている「これをマルチコール規制と言います。」
GAMでやっていることは、
- 「広告ユニット初期化」
↓(ブラウザ上に広告枠の枠組みプレースホルダを作成) - 「広告リクエスト送信」
↓(AdXやPrebid経由の認定バイヤーに一斉に入札リクエストを送信) - 「別フォーマットの広告リクエスト送信」
↓(ネイティブフォーマット等、別ルートから追加の入札をリクエスト) - 「競合」
↓(それぞれの入札レスポンスに対してCPMを比較し、配信するフォーマットや広告を決定) - 「配信」
以上のように1つのリクエストチェーンの中であくまで複数のフォーマットの競合でしかなく、このような挙動ができるのはアドマネージャーの様なアドサーバー「広告サーバー」に限定される。
ならば「AdSense」と「AdExchange」が呼べてしまうのではないか?
リクエストの中で、ならば「AdSense」と「AdExchange」が呼べてしまえばGoogleが定めるマルチコール規制に当たらないのではないか?
実は、そうでもなくGoogleアドマネージャーの仕様でAdExchangeとAdSenseの両方の広告申込情報が同じ広告枠をターゲティングする場合は「Googleのブラックボックス(気まぐれ)」によってランダムに選択されると言う仕様があります。
「ダイナミック アロケーション機能では、競合する AdSense 広告申込情報や Ad Exchange 広告申込情報はランダムに選ばれ、過去の CPM 値の配信収益は考慮されません。」
Ad Exchange 広告申込情報 – Google アド マネージャー ヘルプ
わかりやすく言うとこんな感じです。

しかし現実は、両者が同じ枠にぶつかった瞬間、「過去のCPM値はガン無視」「ただのランダム選出」という超絶な手抜きポンコツ仕様。オークションプレッシャーを高めるためのアドサーバーの中で、Googleの身内デマンド同士が、ただサイコロを振って席を譲り合っていただけだったわけです。
AdSenseかGoogle AdExchangeいずれかのリアルタイムCPMが競合の対象になる。
これは正に、Googleがポリシーで定めるマルチコール規制を起こさない「Googleが掲げるエコシステムプラットフォームの実現」によるものです。
「AdSense」収益をどうするのか?
Ad Exchangeばかり配信していると「AdSense」収益レポートは、止まってしまいますよね?
じゃぁ~どうする?実は3通りの解決策があるんです。
- 「AdSense」と言うプラットフォームを併用する・・・やってることは個人ブロガーと同じ
- 「AdSense for Publishers」・・・使い方次第でグレー
- 「AdSense申込情報を出し分ける」・・・今日のテーマ
「AdSense」と言うプラットフォームを併用する
実態: GAMの統合オークションの外側、あるいは特定の固定枠に直接AdSenseのタグ(自動広告など)を直貼りして生かす方法。
評価: やっていることは個人ブロガーと全く同じです。 GAM+AdXという最強の武器を持ちながら、アドサーバーの高度な Yield Management(収益最大化)を放棄し、レガシーな枠に先祖返りする行為に他なりません。中規模以上のメディアが取るべき戦略としては、あまりにもダサく、機会損失が大きすぎます。
広告枠が増えてしまいMFA(Made For Advertising)として、様々なデマンドがこの運用を許さないと思われ、すでにメガメディアはこの運用を行っているケースが多いがBAS(Better Ads Standards)に照らしてもかなりheavyで今後よりGoogleのChromeチームや検索チームがフィルターを強化すればGAMの枠まとめてGoogleの広告枠がリクエストブロックされかねません。
「AdSense for Publishers」・・・使い方次第でグレー
「AdSense for Publishers」通称AFPは、既に持っているAdSenseアカウントを親としてSSPなどのパートナー企業にAdSenseアカウントの追加発行・運用を行ってもらうことでSSPの広告事業者とGoogle AdSenseを競合させる手法と言うかAdSenseアカウントの保有形態の一つ「Googleが正式に提供しています。」
現在、日本国内でこのAFPの仕組みを用いたサービスを正式に提供しているのは、GMO NIKKO(旧GMO アドマーケティング)が運営する「GMO SSP」、および同社が提供するコンテンツレコメンドエンジン「Taxel」のみとなっています。※現時点で個人のメディアの取引は原則行われていません。
当時、私も掲載・提携経験がありGMOの担当者が直接警鐘を鳴らしていました。
AFPを使ったGMOSSPのタグをGoogle アドマネージャーに入稿しないでください。
これがグレーと言われる所以です。
ここで話がマルチコール規制に戻ります。
- 「広告ユニット初期化」
↓(ブラウザ上に広告枠の枠組みプレースホルダを作成) - 「広告リクエスト送信」
↓(AdXやPrebid経由の認定バイヤーに一斉に入札リクエストを送信) - 「別フォーマットの広告リクエスト送信」
↓(ネイティブフォーマット等、別ルートから追加の入札をリクエスト) - 「競合」
↓(それぞれの入札レスポンスに対してCPMを比較し、配信するフォーマットや広告を決定) - GMOSSP呼び出し
↓AFPをコール - 「配信」
以上のように1回の広告リクエストに同じプロパティーに関連づくGoogleプロダクトが2度呼ばれることになるため、
「マルチコール」になるのです。
「AdSense申込情報を出し分ける」・・・今日のテーマ
「AdSense申込情報を出し分ける」これ非常に理にかなっていた手法でもう少しわかりやすく説明すれば、配信枠の性質や評価状況を感が見てOpenBiddingやGoogle Ad Exchangeがあまり買わなそうな枠をAdSenseに売るという極めてシンプルなに合理的な手法です。
しかし、今度の更新でこの運用ができなくなります。
第 2 段階: 2026 年 7 月 29 日以降、Ad Exchange アカウントをお持ちのパブリッシャー様は、サービスの中断を避けるため、現在 AdSense のデマンドのみに依存している広告枠を Ad Exchange に移行する必要があります。
Google アド マネージャーで AdSense バックフィルを Ad Exchange に移行する – Google アド マネージャー ヘルプ
以前はAd Exchange→Ad Exchange/AdSense→アドマネージャーでした。
Googleのアナウンスではフェーズ2としてGoogle Ad Exchangeアカウントを保有する全てのGoogleアドマネージャーに対して一律で「AdSense広告申込情報」UI上から削除することがアナウンスされています。
そもそも、AdSenseはGoogle Ad Exchangeて実は異なるプラットフォームの様で中身は近いんですよ!!
上記はGoogle Ad Exchangeがブランド統廃合する前の「DoubleClick Ad Exchange」だった時のGoogle Developers Japanの動画で明確に「Googleの広告枠を売買するためのプラットフォーム」と断言しています。
要はAd Exchangeの末端に存在するプラットフォームが「AdSense」でこのAd Exchangeから広告枠の自動管理、OpenBiddingを付け外しすると「AdSense」になると言う解釈。
簡単に言えばこのAd ExchangeとAdSenseを橋渡していたアドマネージャー「広告サーバーの壁」が取り払われます。
Ad Exchange→Ad Exchange&AdSense→アドマネージャーとなるということです。
まとめ:ランダムガチャの終焉と、新時代マネタイズへの移行
2026年5月30日、そして7月29日という2段階の強制執行タイムリミット。
これはGoogleによるただの横暴ではなく、かつてアプリ界でAdMobのマルチコールハックが駆逐されたのと全く同じ、アドテクの歴史における「必然のインフラ一体化」です。
「AdSenseのレポートが止まるのが怖いから」と、安易な逃げ道に走るのだけは絶対にやめてください。
- GAMの外側にタグを直貼りする「先祖返り」は、MFA認定やChromeフィルターによるGAM枠丸ごと一括ブロックの自殺行為を招きます。
- 国内唯一のAFPインフラ(GMO SSP / Taxel)をGAMにねじ込む脱法ハックは、提供元が直々に禁止している禁忌であり、マルチコール規制違反による一発BANのリスクを冒すだけで、目的のレポートには1ミリも反映されません(変化なし)。
広告サーバーの壁が取り払われ、インフラが「Ad Exchange ──> Ad Exchange & AdSense ──> アドマネージャー」へと進化した今、私たちがなすべきは「申込情報の出し分け」というレガシーな職人芸に固執することではありません。
AdXという1つの強固なパイプラインを受け入れ、その内部(収益グループやプロテクション、キーバリュー)で他社SSP(Prebid.js等)と正々堂々ガチンコ勝負をさせる。これこそが、プラットフォームの正義に守られたランダムガチャを終わらせ、メディアの価値を正当に1円単位で最大化させる唯一の生存戦略です。
では、具体的にGoogleアドマネージャーの管理画面でどのようなプロテクションを組み、収益グループ(Yield Group)とPrebid.jsをどう噛み合わせて運用すればいいのか?
サービスの中断を完全に回避し、メディアの収益性を次の次元へ引き上げるための具体的な移行手順と実践的な配信設計図については、こちらの解説記事で画面キャプチャを交えてステップバイステップで徹底的に深掘りしています。
タイムリミットを迎える前に、今すぐチェックして設定のアップデートを完了させてください!
🚀 【次のステップ】さらに深くインフラと実務を理解する連載シリーズ
今回の仕様変更に伴い、パブリッシャーが「今すぐ実装すべき上流インフラの知識」と「具体的な管理画面の設定手順」を2つの実戦編として切り出しました。
次の一手(インフラ編)

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