「アプリを作るなら、C++やJavaを死ぬ気で覚えないといけない……」
Webの知識にはそれなりに自信があった私ですが、かつて本格的なプログラミング言語を習得しようとして、その壁の高さに圧倒されたことがありました。 「プログラミングなんて、一部の天才が黒い画面に呪文を打ち込むもの」だと、半分諦めていたのです。
ところが最近、SNSで話題の「バイブコーディング(Vibe Coding)」という言葉に出会って、その常識がひっくり返りました。
難しい言語を丸暗記する必要はなく、AIと「ノリ(Vibe)」で会話しながらアプリを形にしていく。 「そんな魔法のような話があるのか?」と調べてみたら、なんと私自身、すでにウェブの広告実装などで、無意識に「バイブコーディング」を実践していたことに気づいたのです!
私が「アプリなんて無理」だと思っていた3つの理由
バイブコーディングを知るまで、私がアプリ開発に踏み出せなかったのには、技術以外にも高い壁があったからです。
- アイディアが1ミリも浮かばない 世界を変えるような画期的なアイディアなんて、そうそう浮かびません。 「何を作ればいいかわからない」という段階で、いつも思考が止まっていました。
- 「画力」と「資力」の絶望的な不足 華やかなゲームを作ろうと思っても、キャラクターを描くセンスもなければ、高品質な素材(アセット)を買い揃える資金もありません。 プロが作るような豪華な見た目は、個人には到底無理だと感じていました。
- 「1円」を稼ぐまでの遠すぎる道のり コードを書き、素材を集め、審査を通す……。 膨大な労力をかけても、1円も稼げない未来が怖くて動けなかったのです。
Gemini(無料版)が教えてくれた「逆転のシナリオ」
しかし、GoogleのGemini(無料プラン)と対話するうちに、私の考えは変わりました。
「豪華なゲーム」は無理でも、Geminiを使えばWordPressのプラグインや、HTML/JSを使った便利なミニツールなら、驚くほど簡単に、しかも無料で書けてしまうことに気づいたからです。
素材がなくても、アイディアが小さくてもいい。 自分が「ちょっと不便だな」と思うことをAIに伝え、対話しながらコードを生成してもらう。 これこそが、かつて挫折した私が求めていた「新しいモノ作り」の形でした。
私が無意識に実践していた「バイブコーディング」の正体
一度アプリ開発の話から逸れて、私が無意識に実勢していた、「バイブコーディング」についてお話したいとも思います。
「バイブコーディング」という言葉こそ最近知りましたが、振り返ってみると、私はすでにその入り口に立っていました。
💻 専門用語を知らなくても「ノリ」で動かせる
ウェブサイトやアプリを開発・運営してると誰もが必ずと言っていいほど躓くことありますよね?
そう、マネタイズです。
どれだけ良いアイディアや魅力的なコンテンツが生まれたとしても、そこに広告主を呼び込み、空いている枠を適切に販売できなければ、結局はユーザーに直接課金を求める「ペイドサービス(有料課金制)」にするしかなくなります。
「誰でも気軽に楽しめるものを作りたい」と思っていたのに、最初から高いハードルを課してしまうのは、まさに本末転倒と言えるでしょう。
広告枠販売と聞くと個人は、
- Webならアドセンス(AdSense)でいいじゃん
- アフィリエイトで十分
- モバイルアプリなんてAdMobさえ入れておけばゴールしょ?
実はそれ大きな間違いです。
単純な空き枠広告が間違いである理由
「AdSenseやAdMobを入れておけばOK」という考え方は、実は『プロの戦場』で戦うための武器を、自分から捨てているようなものです。
厳しい言い方をすれば、この「お任せ状態」で満足しているうちは、いつまで経っても2流以下の収益しか得られません。大手メディアや人気のアプリは、裏側で複数の広告主を1円単位で競り合わせ、枠を最高値で売るための工夫を泥臭く凝らしています。
「コードが書けないから」と諦めて、プラットフォームに搾取される側で終わるのか。それとも、AIと一緒にその『戦略』を取り入れ、プロと同じ土俵に立つのか。
プロの広告枠販売は、
- 自社製品の広告枠を在庫として取り扱う
- 常に複数の広告主と競わせる
- その為の器(アドサーバー)を利用する
プロの戦場では、広告枠を単なる「貼り付けスペース」ではなく、「価値ある在庫」として扱います。常に複数の広告主を競わせ、アドサーバーという「器」を駆使して1円でも高く売る。
「自分にはそんな高度な運用は無理だ」と思うかもしれません。でも、バイブコーディングなら、このプロの仕組みすらもAIとの対話で構築できてしまう。これを知らずに「AdMobだけでゴール」と言っているうちは、一生2流のままなんです。
Prebid.jsという「究極の武器」をGeminiに丸投げした結果
私がプロの戦場で戦うために選んだ武器、それが「Prebid(プレビッド)」です。
これは「1円でも高く売る」ために、ページが読み込まれる瞬間に複数の広告主をオークションにかける仕組みですが、正直、コードの中身は複雑怪奇。JavaScriptをまともに理解できず、アドテクの深い知識もない人にとっては、解読することすら困難な代物です。
というか、アドテクとJavaScriptに理解がある私ですら、その圧倒的なコード量と工数を見れば、「正直、自力で開発するのは全力で避けたい……( ´∀` )」と、回れ右したくなるような代物なんです。
しかし、ここで私はあえてGeminiにこう言いました。
「Prebidを開発したい、添付したスプレッドシートを元に基本実装して」
本来なら、スプレッドシートにまとめた大量の広告ユニットID、サイズ、プレイスメント名、そして各アドネットワークのパラメータを、一つひとつソースコードに書き写していく……。そんな「苦行」のような単純作業こそ、最もミスが起きやすく、エンジニアが最も嫌う時間です。
しかし、Geminiは違いました。
- データの即時解析: 添付したシートを一瞬で読み込み、「この枠にはi-mobile、ここにはGoogle AdXですね」と構造を把握。
- 正確なボイラープレート生成: 複雑なPrebidのオブジェクト配列を、シートのデータ通りに、寸分の狂いもなく書き出してくれる。
- エンジニアとしての「眼」: 知識がある私が見ても「うん、これならいける」と思えるクオリティのコードが、数秒で目の前に現れたのです。
💻 「解読」ではなく「指揮」する開発
アドテクとJavaScriptに理解があるからこそ、私は確信しました。 「私がやるべきなのは、1行ずつコードを書くことじゃない。正しいデータをAIに渡し、全体のバイブス(設計思想)がズレていないかを指揮することだ」と。
かつては「コードを書くこと」が開発でしたが、今は「AIに正しく意図を伝えること」が開発になった。このパラダイムシフトが、Prebidという難攻不落の城を、驚くほど短期間で攻略させてくれたのです。
これ以上の自分語りは本投稿の趣旨とずれてしまうので何れPrebidの仕組みやGeminiで開発した裏話をお送りします。
(「……Prebidという難攻不落の城を、驚くほど短期間で攻略させてくれたのです。」の直後に続けて)
これ以上の自分語りは本投稿の趣旨(アプリ開発の記録)から逸れてしまうので、Prebidの具体的な仕組みやGeminiでの開発秘話については、また別の機会にたっぷりとお送りします。
さて、バイブコーディングによって、プロレベルの「武器(コード)」と「戦略(広告運用)」は手に入りました。
発想力の少なさをどう埋めていくか?
「世界を変えるような画期的なアイディア」なんて、個人開発には必要ありません。バイブコーディング流のアイディア術は、もっと泥臭く、そして合理的です。
私がPrebidの実装に踏み切ったのも、元を辿れば**「開発現場の極めて現実的な課題」**がきっかけでした。
- 広告管理がとにかく面倒: 複数のタグをバラバラに管理するのは非効率の極み。一箇所で統制したい。
- プラットフォームの「ブラックボックス」への抵抗: オークションの透明性を自分の手に取り戻したい。
- 運用コストの最小化: 最初は重装備でも、一度「器」を構築すれば後の差し替えは圧倒的に楽になる。
- 専門知識があるからこその「横着」: 仕様を理解しているからこそ、その「膨大な記述量」を自力でやる不毛さを知っている。
こうした「プロとしての課題」と、AIを組み合わせることで、アイディアは勝手に形になっていきます。
💡 Geminiを「企画会議」の議長にする
自分がゼロから思いつく必要はありません。Geminiに「最近の個人開発トレンドと、今の私のスキル(Web知識)で1週間で作れるミニツールの案を10個出して」と頼むだけです。 出てきた案に対して、「これは面白い」「これは面倒そう」とバイブス(直感)で選別していく。これだけで、立派な企画会議が成立します。
🛠️ 「不便」を「コード」に直結させる
私がPrebidを選んだように、発想の種は常に「小さなイライラ」や「非効率」の中にあります。 「この作業、もっと自動化できない?」 「この仕組み、AIなら数秒で終わるのでは?」 そんな、自分だけが感じる些細な不便さをGeminiにぶつける。すると、AIはそれを「アプリの種」として形にしてくれます。
知識があるからといって、すべてを自力で解読・実装する必要はありません。「正しいデータをAIに渡し、全体のバイブスがズレていないかを指揮する」。 これこそが、知識を持つ者がAIを武器に、天才のひらめきを追い越すための「大人のバイブコーディング」なのです。
🤝 X(旧Twitter)を「外部脳」として同期させる
「何を作ればいいか」で迷ったら、自分の頭だけで考えるのをやめました。Xのタイムラインには、世界中の個人開発者たちの「成功」と「絶望」がリアルタイムで流れています。
- 需要の断片を拾う: 誰かが「このアプリのここが使いにくい」「こんな機能があればいいのに」と呟けば、それはそのまま開発のヒントになります。
- 技術のショートカット: Prebidのような難解な技術も、Xで「#VibeCoding」や「#個人開発」を追えば、先人たちが躓いたポイントや最新の攻略法がすぐに見つかります。
- 相互デバッグの文化: 自分一人では解決できないバグも、Xに放流すれば、どこかの誰かが「それ、Geminiにこう指示すれば直るよ」と助けてくれることもある。
自分の発想力に頼らず、Xで見つけた「課題」を、AIという翻訳機を通して「形」に変える。 外部の膨大な情報とAIを同期させることで、アイディアの枯渇という問題は消えてなくなりました。
武器は揃った。いざ、知恵とAIで挑む「アプリ開発の実践」へ
「……外部の情報とAIを同期させることで、アイディアの枯渇という問題は消えてなくなりました。さて、これで私の『逆転のシナリオ』の準備は整いました。
私はこれからGeminiとブレーンストーミングしてきたいと思います。
次回は、、『アプリストア公開への道』。
バイブコーディングですら代行してくれない、あの孤独で泥臭い『事務手続きと審査の壁』のお話でお会いしましょう。お楽しみに!( ´∀` )」

コメント
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[…] きっかけは「他テーマでもあのアイキャッチが欲しい!」という、わいひら氏への多大なるリスペクトからでした。しかし、既存のプラグインでは自分の理想に届かない。「無いなら作る」というバイブコーディングの精神で、移植・拡張プロジェクトが動き出しました。 […]